Discussion
この数値実験より,地上降水量が約1割抑制されることが明らかになった.これは,過冷却水滴が瞬間的に凍結することで多量の氷晶が生成され,氷晶数濃度が急増したため,氷晶1個あたりが獲得できる水蒸気量が分散し,十分な成長が抑制されたことによると考えられる(図8).
その結果,混相雲内でBergeron-Findeisen過程による氷晶成長が生じた一方で,水蒸気競合により小さな氷晶が多数形成され,それらが落下途中で昇華・蒸発する割合が相対的に増加したことで,降水抑制につながったと推察される(図9)
Conclusion
目的
SDMを用いて過冷却水滴を強制凍結させることで,雲構造への応答を調べる.
過冷却水滴を強制凍結させることで,総降水量が約1割抑制された.
- 過冷却水滴の強制凍結直後から氷晶と雲雪の割合が急増化.
- 氷晶が過剰に増加することで,水滴が不足し,氷晶が十分に成長できない.
- 降水粒子が小さくなることで,昇華・蒸発量が相対的に増加し,地上降水が減少した.
【今後の展望】
降水を抑制させた直接的な要因の解析 & 本研究の介入手法を台風へ拡張